薬剤師コラム

29歳、管理薬剤師⇨病院薬剤師への転職

ねこちち

この記事は私自身の転職体験談です。

大手チェーン薬局の管理薬剤師から病院薬剤師へ転職をしました。

転職エージェントを利用しなかったので、転職時は一時的に年収が下がりましたが、その後運よく薬局長として昇給を果たしました。

この記事を読んで欲しい薬剤師はこんな人
  • 薬局薬剤師から病院薬剤師への転職体験談を読みたい人
  • 年収が下がる転職に不安を感じている人
  • 年収が下がっても、病院薬剤師を経験してみたい人
  • 病院薬剤師として年収を上げて行けた経緯を知りたい人
この記事に書かれている事
  • 病院への転職を決意した経緯
  • 転職時には一時的に年収ダウン
  • その後薬局長になれて、結果的に年収アップ
悩める人

29歳での転職体験談は、自分の年齢とも近く、年収の増減は参考になりました。

自分の転職はエージェントを利用して年収交渉もしたいと思います。


この記事を書いた人

【2022年度対応版】薬剤師転職、成功へのロードマップみなさんは薬剤師として転職する場合、特に初めての転職をする場合にはいろいろな不安や悩みがありますよね。「何から始めれば良いかわからない」「新たな業務を覚えるのが不安」「自分の強みがわからない」「転職エージェントへの登録がめんどくさいこの記事ではそんな不安や悩みを解決すべく、転職成功へのロードマップとして記事をまとめています。...

管理薬剤師⇒病院薬剤師への転職

ねこちち

大学を卒業して最初に就職したのは、

薬局薬剤師ならだれもが知る大手チェーン薬局でした。

当時大学生だった私は、実は薬剤師ではなくウェブデザイナーにあこがれていました。

学校にも行かず、購入したmacを使って、独学で自分のウェブサイトをいじくる毎日。

大学を辞めて専門学校へ行きたい私と、せっかく入った薬学部をやめさせたくない両親。

内定は決まったものの、とにかく仕事をすることへのモチベーションが低く憂鬱な毎日でしたが、奇跡的に国家試験に合格。

めでたく(?)薬剤師としてデビューすることになったのでした笑 ちなみに今は薬剤師になったことは後悔していませんし、当時パソコン・ウェブにのめり込んだことも役立っています。人生何が財産になるかわからないし、だからこそ面白いと思っています。

大手のチェーン薬局では、同期も多く刺激的な毎日で、同期の中では割と早めに管理薬剤師に抜擢。

今思うと全く仕事はできていませんでしたが、当時の僕は無我夢中で薬や患者さんと向き合っていました。

転職時の年齢

そんな私に転職する気持ちが出たのが29歳の時でした。

将来の出世への足掛かりとして、大手チェーンにありがちな県外異動を命じられ、素直に従う私。

30歳を前に最初の人生の転機を迎えることとなるのです。

結果的に大成功、だが、、、

最初の転職は結果的には大成功でした。

「結果的に」というのは、転職後すぐは年収が下がったのですが、運よく病院薬剤師として評価してもらえて早い段階で昇給を得られたことと、調剤薬局に所属するだけでは得られないスキルを習得することができたからです

当時の私は転職サイトや転職エージェントの存在すら知らず(スマホもなく今ほど転職の広告はない時代)、自分で直接電話をかけて転職候補先をあたるという、今では考えられないような非効率なことをやっていました笑

今思うことは、失敗しなくて運が良かったなーということ。

転職に至った経緯、理由が二つ

当時29歳の私が転職を考えた経緯、理由が二つありますのでご紹介します。

一つ目の理由は、経験値を上げたかった

当時は医薬連携が叫ばれ出した頃で、調剤薬局の薬剤師も病院とコミュニケーションが積極的に求められだした時代でした。

当時の私が思っていたこと。

病院の事、医療の事、全然わからない・・・

調剤薬局での日々頑張っていた仕事は、確かに医療ですが、医療全体から見るとほんの一部。

患者さんはどう受診行動を起こし、どう診察が進み、検査のオーダーがあり、診断されるのか。

入院された患者さんはどんな生活を送るのか。ほんと分かんない、知らない。

このままじゃ将来ヤバくね?って不安になったのが最初の理由でした。

もう一つの理由は色恋、いまなら会社訴えてる!

もう一つの理由が、まさかの色恋!笑

思い出すとこっぱずかしい笑

チェーン薬局でありがちな県外異動を命じられた私は、移動先の調剤事務さんと意気投合。1ヶ月もしないうちにお付き合いをすることになったんですが、これがトラブルの始まりでした。

実は移動した先のブロック長(くそおやじ)のお気に入りの事務さんだったのです。

職場恋愛でみんなに気を遣わせたくなかったので、社内のすべての人に秘密にしての恋愛。

近所を車で移動するときは、助手席の彼女はシートを倒して、周りから見られないようにする徹底ぶり。デートはもっぱら隣の市まで出かけて楽しむ毎日。そんな中、事件が起きます。

高速道路のサービスエリアで、その上司とばったり。凍り付きましたが、会釈を済ませ急いでサービスエリアを出る二人。「ばれたね~」なんて会話しながら帰路につきましたが、その夜にとんでもないことが起きます。

その上司から、二人の携帯それぞれに電話が。

クソ上司

二人とも今夜うちに来なさい

ねこちち

・・・はい?

いや、なんでだよ!笑

いまならまた違った行動がいろいろと思いつくんですが、若さと経験不足もあって、言われるがまま家に上がる二人。

クソ上司

どちらからなんだ?

ねこちち

・・・はい?

クソ上司

どちらが付き合おうって言ったんだと聞いている

ねこちち

・・・いや、どちらかともなく・・・

クソ上司

そんなわけあるか!怒 必ずどちらかからきっかけの言葉があるだろ! まあいい、、、

クソ上司

肉体関係はあるのか?

ねこちち

・・・・・はい?(驚愕)

クソ上司

肉体関係がないなら、リセットして付き合う前に戻れるだろうが!怒 あるのかって聞いているんだ!

ねこちち

・・・(こいつヤベー奴だ)、いやそういうことはお話しできません

クソ上司

ということは肉体関係があることを認めたってことだな、ないならないと言えるだろ!

ねこちち

ですから、そういったことはお話しできません。

クソ上司

あーもういい、話にならん。このことは本社にも報告して問題にさせてもらう。覚悟しておけよ。あ、それからこの後一緒には帰るなよ。それぞれ自宅に帰るんだぞ!

ねこちち

・・・(いや、問題はお前だろ)、分かりました、すみませんでした(なぜ謝る?笑)

その後もなんだかんだありましたが、最終的にはその上司は、また別の地方に飛ばされてしまいました笑

今思うといい思い出。パワハラとセクハラの往復びんた食らった感じ笑

年収の下がる転職を経験

なんだかんだで転職を決意。

調剤薬局より病院の方が給与は低いのは知っていましたが、実際に年収が下がるのは少し不安もありました。

しかし当時の僕は、3年だけ病院で勉強したら、調剤薬局に戻って収入戻せばいいや、くらいにしか思っていなかったのです。

580万⇒550万

実際の年収は約30万円のダウン。

まあ腐っていても仕方ないので、学べる事学んだらおいとましようと思っていた矢先。

入職後3か月に事件は突然起こります。

思いがけず年収アップ、若さも手伝って結果オーライ

年収は下がってしまいましたが、とある事件がきっかけで状況が一変します。

上司がパワハラで首に! 抜擢され病院薬局長に!

病院に入職して3ヶ月、雰囲気にも慣れて話す同僚もでき、いい環境になってきていたんですが当時の薬局長が、薬局内の女性薬剤師へのパワハラで突然クビになってしまったのです。

思えばその特定の薬剤師に、よく怒鳴り散らしていたり、ドアや電話を叩きつけたりしていました。

当時の私は「大変なことになったー」くらいの感想でした。

まあ、院内で一番ペーペーの私にはほとんど影響はなく、なんなら普段なら出席できない様な所属間の会議や全体の委員会に代打で出席できて、いろんな経験ができるなーぐらいに思っていました。

そんなことで薬局長が不在のまま3ヶ月が過ぎ、今後どんな人が薬局長で採用されるんだろうねーなんて同僚と雑談してたりしたんですが、突然状況が一変します。

廊下で病院長とすれ違ったさいに、いきなり

病院長

あー、ねこちち君、来月から大変だけどよろしくねー

ねこちち

な、なんの件でしょうか?

病院長

あれー、幹部会で決まったけど聞いてないの? 薬剤部もいつまでもリーダー不在じゃまずいでしょ。 来月からねこちち君が薬局長になることに決まったから。がんばってね!

ねこちち

ええええええ!!?

望んだ昇格ではありませんでしたが、おかげで病院薬剤師としては十分すぎる経験を積むことができて、3年で辞めようと思っていた病院薬剤師としての生活は9年にも延長されるのでした。9年間の病院薬剤師の具体的な業務は、また別の記事で!

病院内で昇格、年収アップ! 550万⇒650万

病院薬剤師としての業務はまた別記事を参考にしてください。

ここでは給与の話を少しだけ。

病院薬剤師の給与、特に薬局長の給与は現場によって差が大きく、公開されることも少ないと思います。

正確には9年間の間に段階的に昇格・昇級していきました。

薬剤部 主任29歳 ⇨ 科長31歳 ⇨係長33歳 と2年くらいの期間で昇格することができました、実際には主任時代から薬剤部の全てを任されておりました。33歳で650万円の年収を達成できたのは、運良く病院の薬剤部のリーダーの地位につけたからだと思っています。組織の中で昇格するには、努力やスキル以外にもこの運やタイミングの要素は大きいと思っています。

病院の薬局長の業務としては外来患者対応はもちろん、入院患者の薬や輸液の払い出し、薬の仕入れから卸との価格交渉、スタッフのシフト管理に薬剤部へのクレーム対応、看護部や医局との調整会、薬事委員会を仕切ったり、スタッフ全員に対しての医薬品に関する勉強会や研修会の企画、その他、各種委員会の多いこと多いこと。

おまけに病院機能評価も取得に積極的な病院だったので、各種マニュアルの整備なども他の病院より求められていたと思います。

激務に耐えたおかげで、薬剤師として医師や看護師と渡り合うことを覚えられたのは一番の財産だったと思います。

過去の自分にアドバイスするなら、「たまたまうまく行って良かったけど、もう少し考えて転職しなさい!笑」

転職エージェントに相談していれば、こんな年収の下がる転職はしなくてよかったと思いますし、トラブルのありそうな組織も回避できる確率がアップします。

今はスマホひとつで専門のエージェントとやりとりができる時代です!是非みなさんも活用してみてください!


ABOUT ME
としき
四度の転職でやりがいも給与もどちらも諦めない選択をしてきました。大手チェーン薬局のエリアマネージャー として採用担当もしていた経験から、実際に現場で役立つ情報を発信していきます。