Q:薬剤師も資産形成ってした方がいいですか
30代の薬剤師です。
薬剤師は収入も高いしいいよねと言われます。
収入が高いのは、自分自身ではあまり実感がないです。
日々の生活と家賃、車のローンを支払ったらほとんど手元には残りません。
薬剤師でも資産形成しないとまずいですよね?
みなさんどうされているんでしょうか。
A:資産を考える前に、薬剤師もお金の勉強をするべきです。
薬剤師の生涯年収は他の大学卒の方と比べると3000万円ほど高いそうです。
これをどう感じるかは人それぞれですが、大学でかかる学費や生活費、6年間の大学生生活で社会に出るのが遅くなること。
そういったことを考慮すると、他の人よりもそこまで裕福ではない気がします。
現在多少アドバンテージがあるとすれば、多少種よりも働き口を探すことにおいて苦労は少い事くらいでしょうか。
しかしこのメリットも未来永劫続くものではありません。
おそらく薬剤師も将来は二極化、つまり能力を評価される稼げる薬剤師と、平均よりもずっと低い報酬で働く薬剤師に分かれていくはずです。
ひょっとしたら能力がなければ、国家資格を有していても働き口すら見つからないケースもでてくるかもしれません。
推測するに、この質問者の薬剤師さんは、お金のことで今後なんとなく不安だと言った漠然とした悩みを持っておられると思います。
解説の前に言葉の整理からします。
- 資産形成:自分の資産を0からどう築いていくか
- 資産運用:自分の資産をどのように運用し増やしていくか
ここを混同しないようにしましょう。
今後の薬剤師がお金の悩みをなくしていくには、社会から必要とされる能力を有した人材になることと、少しだけ恵まれた報酬をどう運用していくかがポイントです。
資産形成と資産運用に分けて大枠を解説していきますね。
薬剤師の資産形成について
ではまずは資産形成からです。
資産を作っていくには、当たり前ですが「稼いで」「貯める」の二つが基本の戦術です。
当たり前ですよね。
みなさんはどちらから始めますか。
私のおすすめは、支出を減らし「貯める」ことから取り組むことをおすすめします。
収入を増やすことは、準備や労力などのリソースが必要になるので、難易度が少し高くなります。
資産形成の基本戦略その1:支出を減らす具体策
まずは死守とを減らしアイデアから見ていきましょう。
- ジェネリック医薬品を使う(薬剤師だしね)
- 使っていないサブスクは解約
- 保険を勉強し不要なものは解約
- 無駄に高い服は買わない
- 見栄のための高い時計や靴を買わない
- 自分にご褒美はルールを決める
- 自己投資は自分の市場価値を高めるものに限定する
- タバコを止める
- 格安SIMに乗り換える
- 新車を買わない
- 毎日のコンビニやスタバを止める
などなど、考えだすといろんなアイデアが出てきます。
現在は資産管理アプリも多数リリースされており、無料もプランでも驚くような機能が実装されているものが多いです。
おすすめは「Money Foward ME」というアプリです。
無料でも10個の金融資産をオンラインで管理できるので重宝しています。
私は自身と家族の投資用の口座を連携して利用しています。
今のところ無料機能で事足りています。
現金を使わず生活することで、家計簿が半自動で管理できるので、無駄な支出の発見に便利です。
特に住宅や保険、通信量などの固定費は1000円でも安くなると長い目で見るととても労力対効果が高いです。
そして減らしてはいけない支出もあって
- 自分を豊かにしてくれる支出
- 友人や家族へのプレゼント
- 身につけると心地よい服など、幸せな気持ちになるもの(×見栄はダメ)
- 大切な人との時間を確保するための支出
こういった事への支出は質の高い支出として、ある程度お金をかけてもいいところです。
つまりすべてを我慢し辛い生活をこるのではなくて、支出にはメリハリが大事といったところでしょうか。
目標としては月5万円の支出削減を目指してみてください。
今まで支出について意識していなければ、この月5万円の支出削減は多分達成できるはずです。
資産形成の基本戦略その2:収入を増やす
月5万円の支出を削減できたら、次は月5万円の収入アップを目指しましょう。
収入をすぐに増やす具体策ですが
- 自宅の不用品をメルカリなどで販売する
- せどりや動画編集など、副業を始める
- 本業の収入をあげる
などが考えられます。
「貯める」に比べるとハードルが少しだけ高いですよね。
副業で月5万円は、実際チャレンジすると気がつきますが難易度は結構高いです。
本業以外の時間をほぼつぎ込むくらいの意気込みでやらないと、なかなかお金って稼げません。
本業の収入は、会社からの評価や昇進でも狙わないといけませんが、すぐには難しいし再現性が高くありません。
私のいちばんのおすすめは、収入を上げる目的で「転職活動を始めてみる」です。
この転職活動の最大のメリットは初期投資がかからず、今すぐに始められるところです。
特に薬剤師の転職成功率(ここでは年収アップ)は約7割で、他の職種に比べると大変高いです。
収入アップの転職を決めれば、あとは今まで通り仕事をするだけで毎月の収入が増えることになります。
金銭的なリテラシーの低い薬剤師がしがちなことですが、昇進や転職で報酬を上げたぶん、贅沢をして支出も増えていく方がいます。
若いうちは誰でも多少はこういったことはありますが、どこかで気がついて支出がどこまでも大きくなっていく暮らしは辞めたのほうが、資産形成する上で必須です。
資産形成の基本戦略その3:節税・ふるさと納税をする
これ意外と皆さんしていませんよね。
私の職場でも話題になりましたが、十人中私を含めて二人だけでした。
基本的にサラリーマンは税金に対してノーガードです。
できることがほぼありません。
だからこそ、年度末の医療費控除や毎年のふるさと納税は数少ない武器なので、是非使うべきです。
特にふるさと納税は「楽しく」「お得」になります。
やっていない人は今年度から是非始めてください。
収入が高いほど優遇される制度なので、年収の高い薬剤師さんほどおすすめです。
私も2021年度は15万円ほどふるさと納税に回しました。
薬剤師の資産運用について
日々、本業で忙しい薬剤師の方のおすすめの資産運用はNISAとiDecoです。
支出削減と収入アップで、浮いた月10万円を貯蓄と資産運用に回しましょう。
ここから先は株式も絡んでくるので、個人での勉強も必要になってきます。
しかし現在は勉強といっても、情報が溢れているので、まずは初歩的なことを書籍やYouTubeで学べば、資産運用の基礎は十分です。
まずは小額から始めて実感を掴んでいきましょう。
というかこれ以外の資産運用は医療従事者には、現実的に難しいことが多いと思います。
本業でも研修やスキルアップで時間がギリギリだと思います。
その生活をしながらFXや株や暗号資産のデイトレード、不動産投資などは時間の確保がかなり大変です。
まずは積立投資に絞って資産運用の勉強がおすすめです。
余裕が出てきたら、高配当株や不動産投資にもチャレンジがでいたらいいと思います。
お互い頑張って、豊かな人生を実現しましょうね!