みなさんは薬剤師としてやりがいを持って仕事をしていても、報酬が釣り合わないことに悩んでいませんか。
- 「今の収入で働き続けて、将来は大丈夫だろうか」
- 「もう少しだけでも、毎月自由に使えるお金が欲しい」
- 「高収入の求人は、過疎地か激務かのどちらかだろう」
薬剤師の高収入求人はコロナ前と比べると減少傾向にあるのは間違いありません。
しかしながら、諦めて何も対策をせずにいると年齢が上がるにつれて、人生を豊かにすることは難しくなってくるもの事実です。
この記事では
- 高収入求人がなぜ高収入を得ることができるのかの主な理由
- 高収入求人を見つけた時に事前にチェックするべきポイント3選
を紹介するとともに、見つけ出した高収入の求人が
の見分け方についても深堀していきます。
人生を好転させる求人は席が限られています。動いた人から人生を変えられます。
攻めの転職活動でブラック企業を避けながら、好条件の求人案件を狙っていきましょう。
- 年収アップにフォーカスする場合、気をつけることを知りたい人
- 年収アップの求人で気をつけることを知りたい人
- 初めての転職で現職以外の職場環境を知らない人
- 年収アップの求人で確認すべき事項
- 年収総額の比較だけでは不十分
- 確認事項の実際の確認の仕方
- 分からない項目は担当エージェントに確認する
高収入の求人を見つけたら見逃していることがないか確認してから応募します。
ほんとに良い求人だったらライバルに負けちゃわないよう急いで応募しないとですね。
- 現場の薬剤師として白衣を着て22年
- 保有資格歴|認定薬剤師/禁煙指導薬剤師/薬局実務実習指導薬剤師(調剤薬局)/健康サポート薬局研修終了済(調剤薬局)
- 過去の役職経験実績|管理薬剤師(調剤薬局)/エリアマネージャー(調剤薬局)/採用担当者(調剤薬局)/毒劇物取扱責任者(調剤薬局)/学校薬剤師/薬剤部長(病院)/医薬品取扱責任者(病院)/麻薬管理者(病院)

薬剤師の高収入求人はどのくらいあるのか
まずは高収入求人を定義してから話を進めていきます。
ここではすべての人にわかりやすく実感してもらうために、自分の性別と年齢の平均額よりも高い給与での求人を高収入の求人として話を進めていきます。

出典:賃金構造基本統計調査
実際の求人情報を見ると、公開された求人に限定しても、年収600万円を超える求人は数多く見られます。
非公開求人まで確認するとわかりますが、年収800万円から1000万円を超える高額求人も事実、存在します。
大手の転職支援サービスでも高額年収求人特集が組まれるなど需要は高く、ある会社の高収入の求人特集では12000件を超える高額求人案件が紹介されました。
つまり、高収入求人は探せば割と高確率で出会うことができる求人と言えそうです。
大事なことはその高収入の求人の中から、自分の希望するキャリアアップができる、より高収入な案件を探し出すことです。
担当エージェントとの連携でリスクを回避し、最適解にたどり着きましょう。
高収入求人への転職の失敗談に学ぶ
高収入の求人への転職を実現する前に、他の人が高収入の求人に応募してどんな後悔や失敗をしてきたのかを見ていきましょう。
他の人の失敗談には、学びがたくさんあります。同じ境遇の人の間違いは自分の身に降りかかってもかしくないことです。
待遇の良さのみで判断したが間違いだった。転職時点での給与条件を見て、全く情報収集をせずに応募してしまった。転職してから気がついたが、全く昇給が期待できない。
得できるスキルもない。昇給もない。
そんな状態なら、給与が上がった恩恵があるのは転職直後の期間だけです。数年のうちに再度、転職活動を始めることになってしまいそうです。
働き始めて人間関係が最悪なことに気づいた。
人間関係を事前に完全に把握することは非常に困難ですが、方法がないわけでもありません。本部での面接後に現場を見せてもらうことをお願いしたり、管理薬剤師の方に直接アポイントを取ってお話を伺うだけでも、雰囲気が掴めることがあります。
転職活動に休日を利用して外観を確認するだけでも把握できることはあります。
未経験転職なのに、フォローや研修の少ない中小企業を選んでしまった
業種を変える転職は注意が必要です。同じ薬剤師でも今までの経験が全く通用しないケースもあります
同じ業種でも専門性の違いや企業の風土、店舗の独自ルールなど様々です。
薬剤師として経験の浅いうちに他業種へ転職する場合は特に、業務を学べる環境かどうかは大事なことになります。
職場の雰囲気、スタッフの距離感を事前に確認しなかった
職場の雰囲気は様々です。快適な距離感は人それぞれですが、自分はどういう雰囲気や距離感が相性がいいかも考えておく必要がありそうです。
スタッフ同士の距離感も好みがあります。
近い方が好きな人もいれば、ある程度の距離を好む人もいるでしょう。
懇親会やイベントの頻度などの確認で掴めることがあります。
忘年会すらない店舗もあれば、毎月のスポーツ大会やサークル活動までが盛んな職場など様々です。
残業が多く、体を壊してしまった
残業時間は数字で見るのと実際に体験するのでは時間が変わります。
このくらいの残業は自分ならこなせると言った思い込みは危険です。
過労死の判断基準にも労働時間の要件が入っています。長時間の業務は思った以上に人の心と体に影響を与えます。
劣悪な環境の企業の存在を知らなかった
初めての転職の場合は現職での環境を当たり前だと思い込みがちです。
- タイムカードで残業時間を報告するのは当たり前
- 毎年の昇給は当たり前
- 保険やお金の管理は事務さんがするのが当たり前
こう言った思い込みは危険です。
思い込むことで確認作業すらしなくなってしまうからです。
転職先の現場は、色々な環境の職場があることも知っておかなければなりません。
僻地勤務の実態を知らなかった
田舎暮らしなんて、ネットや流通が発達した現在ならどこでもそんなに違いはないだろう、と思い込んでいませんか。
県外への転職や僻地での転職は好条件の場合もあるので一概に排除もできません。
可能であれば現地に実際に足を運ぶことも検討してください。
通信料、家賃、ガソリン代、光熱費、周りにあるお店、気候、など僻地の実態は甘くありません。
いつものあの店のハンバーガーは食べられないなどは、当たり前に覚悟しなければなりません。
その上、頼れる友達や身内もいない環境となるとさらにハードモードです。
薬剤師として能力のある人も、寂しさから僻地勤務が続かないと言ったことはよくあります。
転職に失敗する薬剤師の特徴

転職に失敗する薬剤師にはどんな特徴があるのでしょうか。
失敗から学ぶことは、事前にリスクを理解し回避することができるのでとても重要です。
具体的に見ていきましょう。
先入観が強くイメージだけで転職を決めている
- 調剤薬局は激務だった、病院の方が早く帰れるらしい
- ドラッグストアはOTCだけなので勉強が楽そう
- 今の薬局でやれているからどこの薬局でもやっていける
このくらいの漠然としたイメージだけで転職を決めることは非常に危険です。
希望条件が曖昧
希望条件が曖昧なことも、転職を失敗する薬剤師の特徴です。
- 調剤薬局は激務だった、病院の方が早く帰れるらしい
- ドラッグストアはOTCだけなので勉強が楽そう
- 今の薬局でやれているからどこの薬局でもやっていける
希望条件の優先順位や妥協できる条件を明確にしておかないと、その場その場の判断で求人を見るので、条件が良い情報に流されて肝心の譲れない条件の確認漏れが起きたりします。
結果、転職後にこんなはずではなかったといったことが起こり、給与は高くなったが長く続けられない結末になりがちです。
自分の能力を過信
現場での能力が高い薬剤師も転職に対してリスクがあります。
転職の成功は個人の能力の高さに依存しません。
転職とは求職者と採用企業のマッチングの作業です。
自分の知識や能力は他の薬剤師より優れている。
どんな企業でも欲しがるだろうというのは幻想です。
どんなに仕事ができても、求人がなければ転職できないもんね
フォロー体制の整っていない職場を選んでしまう
新たな環境でわからないことやトラブルが起きるのは当然です。
経験豊富な薬剤師であれば、これまでの経験で乗り越えられますが、そうでない場合はフォロー体制が重要となってきます。
また業務上のトラブルは乗り切れても、スタッフの急な欠勤や自身の体調不良などの時にどういったバックアップがあるかは事前に確認すべき事項です。
今の環境で希望の休みを好きに取れる方は、どの職場でもそれが当たり前というのは思い込みです。
転職活動を一人で行ってしまう
転職活動を一人で行ってしまうことも、能力の高い薬剤師に起こりがちなことです。
現場での能力が高いことと、転職のノウハウがあることには相関性はありません。
現場では投薬でも在庫管理でも業務改善でも、器用にできるが故に転職も問題なくできるだろうと思い込みがちです。
現場でも本当に有能な人は、一人で全ての作業を完結させません。ダブルチェックや工程を分担して、組織での動き方を考えて業務を遂行します。
現場での能力にたけているのがあなたなら、転職のノウハウを持っているのは担当の転職エージェントなのです。
誰かに任せることができるっていうのも大事なことなんだね
高収入で働くための基本戦略は「転職」と「昇給」
高収入で働くための基本戦略は基本戦略は「転職」と「昇給」の2本柱です。
「転職」→スキルアップ→「昇給」→次のキャリアへの「転職」と言った流れを数回繰り返して高収入を狙うのが再現性が高いやり方です。
一つの組織で頑張って昇進を続けてく方法もありますが、このサイトでは再現性が高くないと考えています。
必ず競争の中で選ばれる人と選ばれない人が出てくるからです。
ここには能力以外の上司や運営方針との相性など、個人の能力だけではコントロールできない要素が絡んできます。
一方、転職し転職先で新たなスキルを習得することは、自分の意思で能動的に動けるので再現性が高い収入の高め方です。
そうか、転職でのスキルアップは自分の意思で自由に選べるもんね。
転職して給与アップを狙う
転職しそのタイミングで年収を上げることは昇給を先取りすることと同じです。
自分の任意のタイミングで能動的にできることも大きなメリットです。
定期の人事異動を待つ必要もありません。
薬剤師全体の平均給与の推移から見ると、25歳〜35歳は平均給与が一番伸びやすい時期で、35歳を超えると転職や昇給で給与を伸ばす条件が厳しくなってきます。

その後、転職先で給与を上げる
転職先で給与を上げていくことも重要です。
過去の事例でいくと、高収入の求人でも中途採用者は昇給しない社内規定の企業もありました。
毎年の昇給が当たり前というのは思い込みです。
採用後の昇級のルールがどうなっているかも確認することが重要になってきます。
しかしながら採用に向けての面談を進めていく中で、個人で金銭の話を積極的にすることは印象がよくない場面もあります。
こういった年収アップの交渉の面からも、担当エージェントをつけて転職活動を進めていくことは重要です。
高収入求人の探し方
ここからは具体的にどうやって高収入求人を探していくかを深堀します。
勤務エリアや業種の年収相場を確認
当然ですが何かを判断する場合は比較対象が必要です。その比較対象が多いほど、また時系列で傾向が分かるほど正確な情報となります。
勤務エリアや業種での年収の相場感を、個人で把握することは難しい作業です。
例えば昨年と比べてどうか、といった情報は転職情報を収集し続けている地域の情報に詳しいエージェントしか持ち合わせていない情報になります。
ですので希望するエリアや業種に強い担当エージェントにアドバイスをもらうことも重要になってきます。
担当エージェントとの相性を見極める
担当エージェントとの相性は少なからず存在します。
日常生活でもありますが、話が全く噛み合わないこと、逆に全部言わなくてもこちらの気持ちを察してくれる人、様々な関係性があると思います。
担当エージェントとの付き合い方も同じです。
話が噛み合わず希望の条件が伝わらないことはあり得ます。
誤解を避ける言い方をしますと、能力の優劣ではなく相性の問題です。
どうしても相性が悪いと感じたら、担当者の交代や会社自体を変えてみるといったことも検討すべきです。
転職はあなたの今後の人生を変えるイベントです。
頑張ってくれているから、多少話が伝わらないのは妥協しようという気持ちが、後々の大きなミスマッチにつながっては大変です。

業種での給与の違い
同じ薬剤師と言っても業種によっても給与の相場感は変わってきます。
初任給が高いのは
ドラッグストア>調剤薬局>製薬企業>病院>公務員
の順番です。
その後の昇給が大きいのは
製薬企業>公務員>ドラッグストア>病院>調剤薬局
また就職への難易度にも明確に差があって
製薬企業>公務員>調剤薬局>ドラッグストア>病院
の順で難易度が高くなっています。
これはどの業種の薬剤師が優れているかということではなくて、求人数と採用される薬剤師の需要と供給のバランスによって決まってきます。
エリアでの給与の違い

勤務するエリアでも給与が違うのは皆さんも聞いたことがあると思います。
もちろん僻地勤務で給与が上がるわけですが、その実態はそんなに甘くありません。
いつものあの味のハンバーガーが食べられない、くらいの気持ちでは僻地での勤務は絶対に続きません。
私個人の九州内のあるエリアでの経験談ですが、僻地ですのでもちろん車が必須のエリアなんですが、冬の寒さが尋常ではないんです。
ここは本当に九州かといった感想しかありませんでした。
冬場は店舗から飲食店やスーパーなどのお店があるエリアまで山道を行かないといけないんですが、狸が道を横切るのは日常茶飯事です。
冬場は餌を求めて野生の鹿や猪が道路に横たわったり横切ったりするので、運転するのもヒヤヒヤです。
そもそも移動できればまだましで、道路が凍結して全ての道が封鎖され、陸の孤島になってしまうことが冬の間に何度か訪れます。
離島や超過疎地など、今の暮らしの常識が全く通用しないことは事前に把握しておかないと、収入のアップでは解決しないと言ったミスマッチになりがちです。
会社規模での給与の違い
会社規模によっても給与の違いがあります。
会社規模が大きくなればなるほど、全体での平均化がされるので、能力が高くても平均値に近い給与での勤務になる場合が見受けられます。
会社規模が小さくなれば、オーナーとの距離が近くなり、能力の高さによって特別な待遇での勤務ができる可能性も高くなってきます。
事業展開の過程での給与の違い
会社の事業展開の過程で給与が高くなるケースも存在します。
例えば新規事業を立ち上げる、複数の店舗を同時展開で進めていくなど、事業展開の過程ですぐに人材を集めないといけない場合は、相場よりも好条件での求人が出る可能性があります。
逆を言えば、事業に新たな展開がなく落ち着いた状況の企業であれば、平均値に近い給与での求人といったことになってきます。
成長期にある企業に狙いを定めることも高収入求人を探すコツになってきます。
自分の妥協できる条件で狙い目を定める
自分の妥協できる条件で高収入の求人を狙う手法もあります。
例えば独身で身軽な場合はエリアを問わずに勤務できるかもしれませんし、経験が豊富であれば一人薬剤師の業務も問題がないかもしれません。
子供がいなければ土日祝日の勤務も抵抗がないかもしれません。
他の人が敬遠するような条件を自分が妥協できる場合も高収入の求人を狙う武器になってきます。
「地方✖︎調剤併設型のドラッグストア」
「僻地✖︎一人薬剤師」
「中小チェーン✖︎エリアマネージャー」などの案件を狙ってみるのも手かもしれません。
急な欠員の補充を狙う
従業員の妊娠出産や家族の転勤、病気や怪我・事故に伴う急な欠員の補充も高収入での転職を狙う一つの手段です。
この方法の難易度は少し高く、まず運やタイミングの要素が絡んできます。
その上、緊急の募集に対応するために短期間で現職を辞めなければならないのもハードルを上げる要因です。
しかしながらタイミングと条件が合えば、好条件の転職を成功させる突破口になり得ますので、ダメもとで担当エージェントに確認してみるのもいいかもしれません。
高収入の求人案件が見つかった場合の精査の仕方
では具体的に高収入の求人案件が見つかった場合にどのように精査していくかの手順を深堀します。
高収入の求人には必ず理由がありますので、ここを明らかにしていく必要があります。
基本的なことですが求人情報を隅々まで読み込むことは大前提で、その上でさらに確認を進めていきます。
年収の高さに気を取られて、足元の落とし穴に落ちないように注意していきましょう。
薬剤師数などの体制を把握
薬剤師数や事務員の人員配置は適切かを確認します。経験が豊富であればあるほど、いろいろな要素から確認が可能です。
同じ業務量でもIT化や機械化が進んでいればスタッフの負荷は変わってきます。
薬剤師数ばかりに目が行きがちですが、事務スタッフの充足も店舗全体の業務量をはかる上で重要な指標です。
応需先の診療科目や処方枚数を勘案し、適正な人数かを確認しましょう。
仕事内容を具体的に把握する
仕事内容を具体的に把握していきます。
例えば病院なら病棟業務中心なのか、外来対応が中心なのかで、休みの取り方や就業時間が変わってきます。
調剤薬局であれば、かかりつけ業務に積極的なのか在宅業務に積極的なのか、特色を把握する必要があります。
仕事内容を具体的に把握することで、自分のこれまでの経験が活かせるのか、習得したいスキルを学ぶことができそうなのかの判断材料にします。
残業時間や休日出勤の実績を確認
高収入の求人であれば、業務量が増えることや残業時間の発生は高確率で起こってきます。
具体的な実績、例えば平均の残業時間などが確認できれば自分の望む働き方ができるかの判断材料となります。
担当エージェントとのすり合わせ作業
いずれにしてもこの段階で担当エージェントと密に連携を取ることが重要です。
担当エージェントとは人間対人間の付き合いなので相性もあります。
自分にはどんな担当エージェントが相性がいいのかは、また別記事でまとめていますのでご参考ください。

高収入求人の給与のチェックポイント

ではいよいよ高収入求人の精査の中でも一番重要な給与に関して、本当に好条件なのかをチェックしていきましょう。
給与に関して確認すべきポイントは全部で3つです。
「昇給率」の確認
昇給率とは読んで字の如く、1年間勤めた正職員の基本給が平均でどのくらい伸びているかを示す数字です。
基本給が30万円で昇給率が3.5%であれば、次年度の基本給は31万500円となる訳です。
そも次の年は32万1368円です。
この3.5%という数字はとあるチェーン薬局の公式サイトから拾ってきました。
他社では2%くらいのところが多いので、比べると少しいい数字です。
現在30歳で転職して、仮に10年勤めると、10年後の基本給は42万3180円となります。
転職した先の昇給率が実は0%だったとしたらどうでしょうか。表にして比較してみましょう。
基本給 | 転職しない場合(昇給率3.5%) | 転職した場合(昇給率0%) |
1年後 | 30万円 | 35万円 |
2年後 | 321,368円 | 35万円 |
3年後 | 332,615円 | 35万円 |
4年後 | 344,257円 | 35万円 |
5年後 | 356,306円 | 35万円 |
6年後 | 368,777円 | 35万円 |
7年後 | 381,684円 | 35万円 |
8年後 | 395,043円 | 35万円 |
9年後 | 408,869円 | 35万円 |
10年後 | 423,180円 | 35万円 |
皆さんは昇給率0%と聞いてどう思われますか。
そんな企業がある訳ないと思った方は危険です。
実際に私が転職した先で、中途採用者は昇給率0%の社内の暗黙ルールがある企業は実際に存在しました。
私の場合は事前の面談で確認し納得した上で入職したのでトラブルには至りませんでしたが、昇給を期待して入職した場合はかなりのショックだと思います。
給与は上がっても一時的で、最終的には転職しない方が生涯賃金は高くなる訳ですから。
そしてこの基本給は他にも様々な影響が出てきます。
失業手当や、残業代、ボーナスに退職金、これらの金額は基本給をベースに算定されていくので、知らなかったじゃ済まされないような大失敗に繋がりかねないですね。
入職前に採用担当者に昨年度の実績を必ず確認するようにしましょう!
「みなし残業代」に注意
皆さんはみなし残業代という言葉を聞いたことがありますか。
残業した時間に対して残業代をもらうことが当たり前と思っている方は、入職前にしっかり確認した方がいい項目です。
みなし残業代は労働者にとって有利なこともありますが、多くの場合は不利になる場合が多いようです。
特に基本給〇〇万円(みなし残業代15時間含む)といったような記載があった場合はかなり要注意です。
みなし残業代とは従業員がこのくらいの残業はするだろうと会社側が事前に予測して、残業してもしなくても残業代をお支払いしますよ、という制度です。
残業を発生させずに、例えば残業時間0で仕事を終えた場合は、残業をしていないのに残業代がもらえるといった、一見労働者にとってはとてもありがたい話に聞こえます。
ここまで聞いて、みなし残業代って危ないと感じた方は危機回避センサーがよく働いています。
通常の残業制だろうがみなし残業代の制度をとっていようが、本来企業は従業員の労務管理をしっかりとしないといけない訳ですが、ブラック企業にこれは通用しません。
みなし残業代を支払うことで、残業代の管理を丸々放棄する企業があるのです。
数百人の残業代を本部管理するのは労務システムの構築出来ていない企業にとっては大変手間と人件費のかかる作業なのです。
みなし残業代を導入することでこの作業を全てなくす事ができます。
さらに毎日のように残業が発生しても、基本給にみなし残業代が含まれていると書いてあるでしょう、これ以上の対価はお支払いしません、仕事が終わらなければ残業して帰ってくださいね、と言った論理展開が起こるのです。
実際には労働者が残業時間を管理して規定の時間以上に残業した場合には会社側に請求すれば、みなし残業代の制度をとっていても残業代を追加で支払わなければならないのですが、そもそもブラック企業はタイムカード置いていないなんて罠もあります笑
これ冗談じゃないですよ、ほんとにそんな企業ありますから。
15時間分のみなし残業代をもらって実際には40時間の残業を無報酬でする羽目にならないようにしなければなりません。
みなし残業代の制度があった場合は要注意。
実情をしっかり確認して不利な転職にならないようにしよう!
「基本給と手当の内訳」
うちは通勤手当を2万円出します!。
家族手当ては3万円で、管理薬剤師手当ては10万円出してます。手厚いでしょう!
ぜひうちの会社で働きましょう!
すごい企業だな、うちより全然いいじゃん! と思ったら危険です。
先にも述べましたが、給与の中で大事なのは総額の中の基本給の割合です。
昇給率、残業代、ボーナスの査定、退職金など、様々な金額は基本給をベースに算定される事がほとんどです。
同じ年収であれば、各種手当てが充実しているよりも、基本給が高い方が労働者にとっては有利です。
手当てを傘増しする事で、基本給を抑えて見かけ状の年収を高く設定する企業も存在します。
年収の総額を比較した後は、基本給(ベース部分)もぜひ比較してみてください。
総額が同じであれば基本給が高い企業の方が労働者にとっては条件が良いということになります。
最後に、決めたのなら思い切ってチャレンジする
ここまで年収は総額以外にも確認すべきところがあることをお話ししてきました。
お金の話でいくとこれ以外にも、企業年金や確定拠出年金の有無や福利厚生など確認すべき事項は様々です。
さらに言えばお金以外のことでも確認すべきことはたくさんあります。
分からない事があれば担当エージェントになんでも聞くようにしましょう。
分からないことを聞くのは恥ではありません、一番良くないのは知ったフリをして後悔することです。
現在の情報が溢れた時代は行動した人から得をする構造になっています。
人はどんな時に一番後悔するかご存知でしょうか。
一番後悔することは、過去に失敗したことではなく、挑戦せずに諦めてしまったことだそうです。
求人情報を十分精査し、自分のキャリアアップに有益だと感じても、行動しなければ何もしなかったことと同じです。
最後に差が出るのはやはり、行動するのかしないのかです。その一瞬の勇気があなたの人生をきっと好転させてくれます!
記事のまとめ
これまでの記事をまとめます。
- 失敗例に学ぶことは重要
- メリットに目が行きがちだがデメリットも必ず確認
- 実態を調査する、思い込みで動くことは危険
- 高収入の求人が見つかったら必ず精査
- 最終的には勇気も必要、決めたら動こう!
おまけのデータ
最後におまけの都道府県別の薬剤師の平均給与ランキングです。
月額給与(円) | ボーナス(円) | 年収(円) | 年齢(歳) | |
奈良 | 594,400 | 639,800 | 7,772,600 | 38.3 |
静岡 | 482,100 | 1,060,300 | 6,845,500 | 47.8 |
青森 | 466,600 | 1,106,300 | 6,705,500 | 41.1 |
栃木 | 443,400 | 1,235,800 | 6,556,600 | 43.6 |
島根 | 437,600 | 1,232,300 | 6,483,500 | 41.0 |
鹿児島 | 464,700 | 697,900 | 6,274,300 | 41.3 |
愛媛 | 418,100 | 1,218,000 | 6,235,200 | 41.8 |
広島 | 391,100 | 1,240,900 | 5,934,100 | 45.5 |
兵庫 | 401,100 | 932,900 | 5,746,100 | 37.3 |
東京 | 406,700 | 825,500 | 5,705,900 | 40.5 |
大分 | 387,300 | 1,055,200 | 5,702,800 | 44.5 |
山口 | 367,500 | 1,186,200 | 5,596,200 | 41.8 |
群馬 | 395,700 | 742,800 | 5,491,200 | 34.9 |
秋田 | 362,900 | 1,130,000 | 5,484,800 | 33.9 |
長野 | 377,600 | 914,600 | 5,445,800 | 44.7 |
高知 | 353,000 | 1,203,200 | 5,439,200 | 43.5 |
長崎 | 386,800 | 724,700 | 5,366,300 | 38.8 |
福井 | 350,200 | 1,144,800 | 5,347,200 | 39.4 |
埼玉 | 399,500 | 544,000 | 5,338,000 | 34.8 |
神奈川 | 386,600 | 693,400 | 5,332,600 | 38.3 |
愛知 | 381,800 | 746,500 | 5,328,100 | 38.6 |
福岡 | 379,800 | 764,200 | 5,321,800 | 39.5 |
岐阜 | 388,000 | 656,400 | 5,312,400 | 35.9 |
和歌山 | 388,700 | 645,500 | 5,309,900 | 36.5 |
福島 | 368,400 | 876,000 | 5,296,800 | 41.3 |
茨城 | 367,800 | 825,000 | 5,238,600 | 42.4 |
岩手 | 392,300 | 515,800 | 5,223,400 | 36.4 |
千葉 | 384,000 | 582,200 | 5,190,200 | 35.9 |
佐賀 | 378,500 | 643,200 | 5,185,200 | 39.0 |
北海道 | 363,700 | 813,500 | 5,177,900 | 38.2 |
熊本 | 364,000 | 766,500 | 5,134,500 | 39.0 |
香川 | 365,300 | 723,500 | 5,107,100 | 39.1 |
大阪 | 355,200 | 838,300 | 5,100,700 | 38.8 |
山梨 | 393,200 | 377,100 | 5,095,500 | 45.3 |
沖縄 | 384,000 | 466,500 | 5,074,500 | 39.2 |
富山 | 303,700 | 1,384,400 | 5,028,800 | 41.3 |
鳥取 | 330,200 | 1,038,700 | 5,001,100 | 40.2 |
山形 | 316,100 | 1,183,700 | 4,976,900 | 38.1 |
岡山 | 332,200 | 931,900 | 4,918,300 | 37.5 |
宮崎 | 371,900 | 442,100 | 4,904,900 | 42.8 |
滋賀 | 341,900 | 770,400 | 4,873,200 | 28.1 |
京都 | 354,800 | 586,500 | 4,844,100 | 39.1 |
新潟 | 327,500 | 876,500 | 4,806,500 | 39.7 |
徳島 | 341,000 | 695,700 | 4,787,700 | 42.0 |
石川 | 309,200 | 1,066,400 | 4,776,800 | 39.7 |
宮城 | 314,400 | 938,700 | 4,711,500 | 37.1 |
三重 | 315,200 | 592,800 | 4,375,200 | 36.3 |
上記のデータの調査対象は正規雇用の薬剤師なので全ての薬剤師を反映できてはいませんが、おおよその傾向を掴むには十分なデータであると推察します。一位の奈良県の777万円と最下位の三重県の437万円では300万円以上も差があります。
いろいろな要素を含むので一言では語れませんが
- 離島や過疎地の有無
- 高齢化率
- 分業率
- 薬科大学の有無
などの要素が複雑に絡みあっての結果でしょう。
みなさんが狙っている地域の平均年収はいかがだったでしょうか。
薬剤師全体の平均年収は、「565万1000円」なので、意識の高いこの記事の読者の皆さんは、自分のキャリアアッププランに添いながら、平均以上の好条件の求人を是非探してみてくださいね!