みなさんは薬剤師として転職活動をしていて、一人薬剤師の求人案件に出会ったことはありますか。
- 「店舗で薬剤師が一人なんて不安」
- 「薬剤師一人なんて気楽」
- 「どんなことに注意して働けばいいの」
- 「どんな薬剤師が向いてるんだろう」
一人薬剤師での勤務は人によってはメリットだらけのレア求人です。
この記事ではそんな一人薬剤師での勤務について深堀しています。転職活動中の意思決定の材料の一つになれば幸いです。
- 一人薬剤師の求人を見つけたが注意すべき点を知りたい人
- 一人薬剤師のメリットデメリットを知りたい人
- 一人薬剤師のメリットとデメリット
- 一人薬剤師の求人は少しレア
- 意識的に探す場合は数ヶ月出て来ないこともある求人
- 向いている薬剤師はこんな人
一人薬剤師の実際の感じがわかりました。
一人薬剤師がこなせるようになれば、薬剤師としてある程度自信がつきそうですね。

人によってはメリットだらけ!
私自身の過去の経験から話します。個人の感想から言えば一人薬剤師はメリットだらけです。
小児科の門前で一人薬剤師を数年間経験しましたが、一人薬剤師で二人事務で90〜100枚程度の処方箋をこなしていました。この数だけ見ると適当な業務をしていたんだろうとご批判もあるかもしれませんが、そんな事はなくかかりつけ業務からOTC販売まで効率的にこなすことができていました。
こういった生産性の高い業務ができていたのにはいくつか理由がありますので、それを解説します。
スモールスタート
処方枚数が90〜100枚を一人薬剤師でこなしていましたが、最初からその枚数の患者さんが来局されていたわけではなく、クリニックと調剤薬局の同時立ち上げで、立ち上げ当時は1日20枚程度のスモールスタートから始まり、1年かけて患者数を増やしていった環境でした。
なので日々の細かな業務改善が積み重なった結果、こういった効率的なシステムを構築できたと思います。
単調な処方
門前のクリニックの医師は小児科の中でも専門性が高く、特定の疾患に処方が限られていたため、使用薬剤数が限られており、店舗のアイテム数がかなり少なく400アイテム程の管理でした。これも一人薬剤師が成功した要因だったと思います。
スタッフのスキル
自身のことを評価するようで恥ずかしいですが、管理薬剤師経験は長く、店舗全体の管理は一通り習得した状態だったので、誰かに頼らなければならない場面が少なかったのも、うまく回すことができた要因であったと思います。
これは事務スタッフにも言えることで、保険請求業務やOTC販売に精通した登録販売者とペアを組めたこともプラスに働いたと思います。
積極的な最新機器やIT機器の導入
これが一番大きな要因ですが、当時数百店舗あったチェーン薬局の中で初めてロボット調剤機器を導入した店舗でした。当時は他の薬局での導入事例も少なくチャレンジ性の高い店舗でしたが、結果的にはこれが人件費削減に貢献しました。
薬局内の全ての機器がネットワークで繋がっており、散剤の分包・シロップ分注・軟膏の練り合わせ・ピックング補助ツール・画像センサーや重さの感知できる監査補助の機械、最新の薬歴システム、半自動の医薬品発注システムがほぼ全てうまく稼働しており、当時としてはかなり機械化の進んだ薬局であったと思います。
一人薬剤師のメリットはこんなにある
一人薬剤師のメリットとしてはなんといっても人間関係の煩雑さが減らせることです。幸い当時の事務さんとは仲良く過ごすことが出来てたので、業務時間中や休憩時間も含めてストレスが少なく過ごせました。その事務さんとはお互いその薬局は離れましたが、今でも交流が続いています。
収益性が高くなる要因もあって、来局される患者さんは全て自分が対応するので、顔見知りになって仲良くなれる確率が非常に高いです。当時チェーン薬局100店舗以上ある中で抱えているかかりつけ患者数はトップの成績を収めることが出来ました。かかりつけ薬剤師業務は一人薬剤師とはかなり親和性が高く相性バッチリといった感じです。
店舗の業績が個人の業績として評価されやすいので、給与への反映もされることが多いです。足を引っ張るスタッフを抱えなくて良いので他店舗と比べると一人当たりの生産性は高くなる傾向があります。
一人薬剤師が辛いのはこんな人
ここまで読んでデメリットが想像できた方もいると思います。
自由にやれるという事は、わからないことがあった時にすぐに相談できる人がいないことにも直結します。また効率よく業務ができなければ時間内に業務が終わらず、一人で延々と残業となってしまいます。何か問題が起きた時の責任も一人ですし、調剤過誤へのリスク対策も怠れません。
つまり経験不足で、店舗全体の運営を一人で一通りできるか不安な方には向きませんし、効率化を自分で考え実行する力が求められます。
整理整頓などの意識も高く持っておかないと、機器や事務スタッフとのダブルチェックがうまく働かず、調剤過誤のリスクが高まります。
門前の医師と医療的な話をするのも店舗でのスキルアップの勉強会を企画・実施するのも全て自分次第です。
自由の代わりに求められるのは、自律と自主性です。
結論、一人薬剤師が向いているのはこんな人
通常業務はもちろん、イレギュラーが起きた時にも冷静に対応できるだけの経験があり、尚且つ他の薬剤師との連携が少し億劫に感じるような方には、給与を上げるチャンスと自由に自主性を持って店舗運営に取り組めるといったメリットの多い環境となります。
逆に経験の浅いうちは、すぐに相談のできる先輩や同僚、本部スタッフとの連携をとっておけば、店舗全体の運営スキルを学ぶことができるいい経験となると思われます。
一人薬剤師の求人はまあまあ希少ですが、地道に転職活動をしていれば時々出会うことがありますので、希望する方は担当エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。

最後に。
あなたの転職が人生を好転させる実りあるものでありますように!