薬剤師コラム

職歴数や前職の在籍期間が短いことは転職にどう影響するのか

ねこちち

みなさんは薬剤師として転職する際に、前職の数が多い場合や在籍期間が短いときは不安になりますよね。

  • 転職回数が多いのは印象が悪いはず
  • 空白期間を知られたくない
  • 数ヶ月で辞めているので根気がないと思われそう
  • いっそ経歴をごまかしてしまおうか

ちょっと待ってください。経歴詐称は損害賠償にまで発展することはありませんが、解雇の理由としては十分な理由となります。

また嘘を隠しながらの勤務はいつかどこかで無理が出てくるでしょう。医療業界は横のつながりも意外とあって、どこから過去の話が出るかわかりません。

この記事ではそんな前職数や是移籍期間の短かさに関する不安や悩みを解決すべく、採用担当者をしていた経験を交えながら対策を深掘りします。

この記事を読んで欲しい薬剤師はこんな人
  • 転職活動を始めたいが、過去の職歴数が多くて不安な人
  • ブランクの期間があって採用してもらえるか心配な人
  • 前職の在籍期間が短くて、根気がないと思われないか不安な人
  • 過去の経歴を採用担当者がどう考えるのか知りたい人
この記事に書かれている事
  • 実際の離職率のデータを紐解く
  • 職歴数で採用を決められることはあるか
  • 職歴が短くても問題なしのケース
  • 最終面接前に転職に至った理由は明確にしておこう
悩める人

経歴詐称なんてせずに、堂々と面接に挑みます。

転職理由は担当エージェントとも相談して、面接前に言語化しておきます。


この記事を書いた人

【2022年度対応版】薬剤師転職、成功へのロードマップみなさんは薬剤師として転職する場合、特に初めての転職をする場合にはいろいろな不安や悩みがありますよね。「何から始めれば良いかわからない」「新たな業務を覚えるのが不安」「自分の強みがわからない」「転職エージェントへの登録がめんどくさいこの記事ではそんな不安や悩みを解決すべく、転職成功へのロードマップとして記事をまとめています。...

実際の離職率の動向

まずはこのデータをご覧ください。

産業離職率
宿泊業、飲食サービス業26.9%
生活関連サービス業、娯楽業23.9%
サービス業
(他に分類されないもの)
19.9%
教育、学習支援業16.6%
医療、福祉15.5%
不動産業、物品賃貸業13.7%
卸売業、小売業12.9%
情報通信業11.8%
金融業、保険業11.1%
運輸業、郵便業10.5%
学術研究、専門・技術サービス業10.1%
製造業9.4%
複合サービス事業9.3%
建設業9.2%

※厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概要」より
※1年間の離職率

職種ごとの離職率をまとめた厚生労働省のデータです。

薬剤師は「医療、福祉」に含まれます。この中には看護師や介護職なども含まれますので薬剤師の正確なデータではありませんが、全職種の中の5位となっており、薬剤師の1年間の離職率は他業種と比べても比較的高い傾向にあることが読み取れます。

また少し古いデータですがMMPR(メディカルマーケティングプロモーションリサーチ)が薬局経営者・経営幹部に行ったアンケート結果からも非常に興味深いデータが読み解けます。

【店舗数の規模により離職率が大きく異なる】

  • 31店舗以上のチェーン薬局の離職率:16%
  • 5店舗以下のチェーン薬局の離職率:6%
  • 平均離職率:10%

薬剤師の1年間の離職率は他職種と比べると平均よりも少し高めで、大手チェーン薬局になるほど離職率が高いことがわかります。

大手チェーン薬局と5店舗以下のチェーン薬局の大きな違いといえば、やはり「給与・待遇」と「遠方への異動」があると推察できます。

転職後すぐの転職はNG?

私自身、薬剤師の採用担当をして多くの薬剤師の方の面談を行って来ましたが、経歴というのは様々です。中にはA4の履歴書には書ききれない数の企業を転々とされている方もいらっしゃいました。

正直、採用担当としては前職の数で合否を決めることはありません

転職数が多かろうが、前職の職歴が短かろうが採用に至るケースは存在します。

重要なのは転職に至った経緯が何かであり、それによって印象が大きく変わって来ます。

転職に至った理由は必ず明確にしておく

過去に私が経験した中で、前職の職歴が短くても問題なかったケースと、問題ありと判断したケースを紹介します。

問題なしと判断したケース

・家族(夫)の転勤に伴う、妻の転職
・転職を決めたが、実際には聞いていた内容と違う条件での勤務を強いられた
・自分には合わない職場だった(人間関係や企業理念など、前職を非難しない)
・店舗の異動を強いられた

問題ありと判断したケース

・給与を上げる事以外に話の展開がないケース
・自分の条件の提示に固執し企業側の求める要求が全く届かない方
・採用を急ぐ場合につけ込んだ横柄な態度や無理な条件の提示
・前職での問題は全て企業や職場の周りのスタッフの人間性であり、自分には非がないことをアピールする方

現職の職歴が1年未満でも問題なし、ただし条件付き

いずれにしても転職回数が多い場合や、前職の職歴が1年未満など短い場合は面接時に理由を聞かれるケースが多いと思います。

結論としては過去の職歴だけで判断することはありません。

明確な理由があれば端的に説明できるよう準備しておく必要がありますが、退職の原因が人間関係やブラック傾向のある企業だった場合は、前職でのトラブルの話はほどほどで留めておいて、今までの経歴や経験でどんな仕事ができるかといった、未来の明るい話ができる方は採用の確率が上がります。

それでも退職理由を説明することが難しい場合は、優秀な担当エージェントであれば相談に乗ってもらえます。ぜひ活用していて下さい。

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最後に。

あなたの転職が人生を好転させる実りあるものでありますように!

ABOUT ME
としき
四度の転職でやりがいも給与もどちらも諦めない選択をしてきました。大手チェーン薬局のエリアマネージャー として採用担当もしていた経験から、実際に現場で役立つ情報を発信していきます。