薬剤師コラム

退職時に有給休暇を使い切る施策

ねこちち

みなさんは薬剤師として転職を決めた後、残った有給休暇はどうしますか。

  • うちは慣例的に有給は使わずに退職する
  • みんな休みが取れておらず言い出せない
  • 有給休暇の残数がわからない
  • 損しないように全部使えるか不安

この記事ではこんな不安や悩みを解決すべく、退職時の有給休暇の取得について深掘りしていきます

この記事を読んで欲しい薬剤師はこんな人
  • 退職時の有給休暇の申請ができない人
  • 退職時の有給休暇の取得ができるか不安な人
  • 損することのないよう有給を使い切って退職したい人
  • 有給休暇の残日数がわからない人
この記事に書かれている事
  • 退職時には残った有給休暇は全て取得可能
  • 有給休暇を消化するときのパターン
  • 有給休暇取得の具体的な手順
  • 退職時の有給休暇中の過ごし方
悩める人

この記事を読んで有給休暇を無駄にせずに済みました。

気持ちよく次のステップに進めます。


この記事を書いた人

【2022年度対応版】薬剤師転職、成功へのロードマップみなさんは薬剤師として転職する場合、特に初めての転職をする場合にはいろいろな不安や悩みがありますよね。「何から始めれば良いかわからない」「新たな業務を覚えるのが不安」「自分の強みがわからない」「転職エージェントへの登録がめんどくさいこの記事ではそんな不安や悩みを解決すべく、転職成功へのロードマップとして記事をまとめています。...

この記事を読めば退職時に残った有給休暇を1日も無駄にさせません。


退職時には残った有給休暇は全て取得可能

まずは結論です。

退職時には有給休暇を取得する意思表示をすれば、全て取得可能です。

これを雇用側が拒否する、もしくは取得しにくいように仕向けることは労基法に違反した行為となります。

有給休暇は労働者の権利

まずは有給休暇取得の条件を整理しましょう。

労働基準法には、「年次有給休暇は、業種・業態や正社員・パートタイムの区分に関係なく、一定の要件を満たした労働者に与えられる権利」(労働基準法第39条)。と記されています。

労働者は、

  1. 雇入れの日から6ヶ月継続して雇われている
  2. 全労働日の8割以上を出勤している

という2点を満たしていれば、有給休暇を取得することが可能です。ちなみに8割以上出勤の中には産休などは含まれませんので、病気や怪我による長期の休みがあった場合を除いて、ほとんどの方が8割以上出勤の要件は満たしているはずです。

実際には何日間の有給休暇が取れるのか

以下の表をご覧ください。

自身の週所定労働時間を確認し勤続年数を見ると、それに応じた年次有給休暇の日数が確認できます。

2019年4月からは年次有給休暇が10日以上付与される労働者は、年5日の年次有給休暇を取得させることが使用者(雇用側)の義務となりましたので、これから実際に取得した日数を引いたものが退職を決めた時点での有給休暇の残日数となります。

有給休暇の取得はあくまで権利ですので、行使するための意思表示が必要です。

取得しにくい雰囲気があっても毅然とした態度で申請(意思表示)をしましょう。

よくある妨害行為としては、

うちの会社の慣例では退職時に有給を取る人はいない

他の人は有給は取れていない

今の忙しい時期は有給を認めるのは難しい

などの言葉で申請を邪魔することがあるようです。

自分だけで解決できない場合は、労働基準監督署へ相談する意向を見せるなどして、意思表示することが大切です。

法的根拠を知っているということが、毅然とした態度での対応にもつながってくるので知識は大事です。

有給休暇を消化するときのパターン

では実際に退職時に有給休暇を取得するのにはどういったパターンがあるのでしょうか。

具体例を2つ挙げて説明していきます。

最終出勤日=退職日とする場合

最終出勤日=退職日とする場合です。

退職の意思表示をした段階で設定した退職日に向けて、有給休暇を少しずつ取得しながら、引き継ぎや身辺整理、取引先への挨拶などを進めていくパターンです。

通常は退職に際しての業務引き継ぎ等の手続きは3ヶ月程度かかることが多くなりますので、この期間中に計画的に有給休暇を取得していきます。

最終出勤日よりも後に退職日を設定する場合

次に引き継ぎ業務などを終わらせて最終出勤日を迎え、その後有給休暇を消化するパターンです。

実際に転職する場合には、こちらのパターンを選択する方が多い印象です。

メリットとしては、次の職場への入職に向けてまとまった休みを使い準備ができること。また気分転換やリフレッシュの目的で、旅行など通常勤務している間にはできないことができることなどが挙げられます。

デメリットとしては、次の転職先が至急での求人だった場合、日程的に苦しくなってしまうケースもあるようです。そういった場合の対処法を次の段落で解説します。

有給休暇取得の具体的な手順

まずは社会人としての常識ですが、会社側にも労働者側にも配慮された円満退職を目指すことが重要です。

そのためには労働者側からの権利の主張だけではなく、会社側への配慮も考えながら無理のないスケジュールを考えていくことが大切です。

まずは日数を計算し、引き継ぎも含めたスケジュールを立てる

残った有給休暇を無駄なく活用するために、退職の意思が固まったらすべきことは、自分の有給休暇の残日数を正確に計算することです。

その上で退職までに必要な業務引き継ぎや片付け、取引先への挨拶などのスケジュールを立てて、今までお世話になった同僚や会社に誠意を見せる姿勢が大事です。

また医療従事者である薬剤師は、かかりつけの患者や担当している在宅患者へも可能な限り挨拶と後任の紹介ができると患者さんも安心感を得られます

引き継ぎから有給休暇の消化まで全てをこなそうと思うと、退職の決心から退職までは、おおよそ3ヶ月程度になることが一般的のようです。

どうしても取得が難しい場合の対処方法

しかしながら至急の好条件の転職や引き継ぎ業務の遅延などから、スケジュール的に有給休暇を取得することが難しいケースもあるかと思います。

これは裏技的なやり方にはなりますが、会社側と労働者の双方の合意により、有給休暇の買取と言った形で精算するケースや、有給休暇の消化中に次の転職先への就労を開始するケースもあるようです。

有給休暇消化中の次の職場での就労ですが、企業によっては二重契約を認めていない企業もありますので、元の会社と次の就職先の双方に確認の作業が必要となります。

退職時の有給休暇中の過ごし方

退職時の有給休暇は、社会人人生の中でも他にない貴重な時間です。

無駄にならないよう計画的に過ごしたいものです。

最初に思いつくのはやはり旅行ではないでしょうか。

家族や恋人、または両親との旅行へ行くことは薬剤師としてステップアップし生産性の高いスキルを身につけることと同じくらい、もしくはそれ以上に大事なことです。

リフレッシュすると決めたのであればぜひ思いっきり楽しむのが有効な時間の使い方です。

転職活動はもちろんOK

転職活動に充てるものもちろん有効な時間の使い方です

新しい業務にチャレンジするのであれば、その勉強の時間を確保するのもいいし、引越しや必要の物品を揃える時間に当てるもの有効な時間の使い方だと思います。

次の職場での就労は要確認

場合によっては時間的に迫られて、次の職場での就労を開始しなければならないこともあるかもしれません。

先にも述べましたが、こう言った場合は元の職場と転職先の2箇所に、有給休暇の消化中であることを伝え、双方合意の上で就労を開始してください。

有給休暇を消化したいので就労開始を遅らせたい、と言った理由で就労開始日を延長するのはあまりにも身勝手で乳足前から印象を悪くしてしまいます。

有給休暇中にボーナス支給日が来れば権利が発生する

有給休暇中にボーナスの支給日が来れば権利が発生します。実際に勤務をしていないのにボーナスをもらうのは気が引けてしまう方もおられる方もいるかもしれませんが、実さに転職者の数は年間の推移を見ると月によりばらつきがあります。

夏・冬のボーナス支給日の後は1年のうちで最も転職者が多い月となってきます。

ライバルも多くはなってきますが、退職者の増加に伴って求人数も増えるのである程度先を見越して、ボーナス支給付きよりも前から転職活動を始めることで、条件の良い求人に出会えるチャンスが高まると言えそうです。

最後に。

あなたの転職が人生を好転させる実りあるものになりますように。

ABOUT ME
としき
四度の転職でやりがいも給与もどちらも諦めない選択をしてきました。大手チェーン薬局のエリアマネージャー として採用担当もしていた経験から、実際に現場で役立つ情報を発信していきます。